先に、要点だけ
- 進み方には大きな個人差があり、ゆっくり進む人も多い。「こうなると決まっている」わけではない
- どの段階でも本人の感じる心は残る。できることに目を向ける関わりが最後まで意味を持つ
- 段階ごとに「次の備え」を少しずつ。全部を一度に考えなくていい
「これからどうなるの?」という不安に
認知症と診断されたあと、多くの家族が最初に思うのは「これから、どうなっていくのだろう」ということです。先が見えない不安は、とても大きいものです。
最初にお伝えしたいのは、進み方には大きな個人差があるということ。認知症の種類、その人の体や環境によって違い、ゆっくり進む人も多くいます。これからお伝えするのは、あくまで大まかな目安です。「こうなると決まっている」わけではありません。
大まかな経過の目安
初期
もの忘れ・段取りの混乱。サポートがあれば自分でできる
中期
一人の生活に支障、BPSDが出やすい。手助けが増える
後期
会話や身の回りが難しく、体の機能も低下
※進み方には大きな個人差があります。年単位でゆっくり進むことが多く、図は目安です。
| 段階 | みられやすい変化 | 暮らしの様子 |
|---|---|---|
| 初期 | もの忘れ、日付や段取りの混乱、意欲の低下 | サポートがあれば、多くのことは自分でできる |
| 中期 | 一人での生活に支障、BPSD(不安・興奮など)が出やすい | 日常の多くの場面で手助けが必要に |
| 後期 | 会話や身の回りのことが難しくなる、体の機能も低下 | 全般的な介護・医療的なケアが中心に |
大切なのは、どの段階でも、本人の感じる心は残っているということ。できることに目を向け、その人らしさを支える関わりが、最後まで意味を持ちます。
段階に合わせて、備えておくと安心なこと
- 初期のうちに:本人の希望を聞いておく(人生会議)。お金や財産の備え(成年後見など)。介護保険の申請。
- 中期に向けて:介護サービスを整える。BPSDへの対応を知る。介護者自身の休息を確保する。
- 後期に向けて:施設や看取りについて、早めに情報を持っておく。
先に知っておくことは、不安を煽るためではありません。慌てず、その時々で最善の選択をするための準備です。
一人で抱え込まないために
見通しを持つことは大切ですが、すべてを家族だけで背負う必要はありません。ケアマネジャー、主治医、地域包括支援センター――要所要所で、専門職が一緒に考えてくれます。そして、あなた自身の心のケアも、どうか後回しにしないでください。
よくある質問
Q. 進行を遅らせるためにできることは?
薬(薬と治療)に加えて、生活リズムを保つ、役割や楽しみを続ける、人との関わりを保つ、体を動かす、生活習慣病を管理する、といった日々の積み重ねが大切とされています。「特別な訓練」より「その人らしい生活の継続」が基本です。
Q. 本人にはどう接すればいい?
「できなくなったこと」を数えるより、「今できること」を一緒に続けるのが基本です。失敗を責めない、先回りしすぎて本人の出番を奪わない。診断後も本人の人生は続きます。ご本人向けのページ(認知症とともに生きる)を本人と一緒に見るのもおすすめです。
Q. 急に悪くなることはありますか?
アルツハイマー型は基本的に緩やかですが、体調不良・入院・環境の変化で一時的にガクッと落ちることがあります(せん妄など、戻る場合も多い)。血管性は脳卒中の再発で段階的に進むことがあり、再発予防が重要です。「急な変化」のときは、まず主治医に相談してください。
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※本記事は一般的な情報提供です。経過には個人差が大きく、見通しや治療については主治医にご相談ください。
参考・出典
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