先に、要点だけ
- 在宅介護は「家族が全部やる」ものではなく、サービスを組み合わせて支えるのが標準
- 組み合わせはケアマネジャーが設計してくれる。家族は困りごとを伝えるだけでいい
- デイサービスとショートステイは、介護する家族が休むための仕組みでもあります
「全部、家族がやる」は標準ではありません
在宅介護というと、家族が24時間つきっきりのイメージがあるかもしれません。実際の標準形は違います。介護保険のサービスを組み合わせ、専門職と分担しながら支える。それが在宅介護です。
どう組み合わせるかはケアマネジャーが設計してくれます。家族がやることは、困りごとと事情(仕事・体調・遠距離)を率直に伝えること。それだけで大丈夫です。
道具箱の中身 ― 3系統で覚える
| 系統 | サービス例 | 何をしてくれるか |
|---|---|---|
| 来てもらう(訪問系) | 訪問介護(ヘルパー)、訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリ | 食事・入浴・排泄の介助、掃除・調理などの生活援助、健康管理 |
| 通う(通所系) | デイサービス、デイケア(リハビリ中心) | 日中の活動・入浴・食事・機能訓練。家族の休息にも |
| 泊まる(短期入所) | ショートステイ | 数日〜の宿泊。介護者の休息・出張・冠婚葬祭のときに |
このほか、福祉用具レンタル(介護ベッド・手すり等)、住宅改修の補助(手すり設置・段差解消など)、「通い」を軸に訪問・泊まりを柔軟に組み合わせる小規模多機能型居宅介護もあります。
住宅改修の補助は、対象工事費20万円までの枠に対して、その1〜3割が自己負担(残りが保険給付)という仕組みです。20万円を超えた分は全額自己負担で、原則は1人1回まで。いったん全額を支払って後から戻る「償還払い」が基本のため、事前にケアマネ・市区町村への申請が必要です。
デイサービスの1日(一例)
「デイって何をするの?」が分かると、本人にも勧めやすくなります。
- 9時ごろ 送迎車が自宅までお迎え
- 午前 健康チェック(血圧・体温)、入浴、機能訓練や体操
- 昼 昼食(嚥下や食事量も見てもらえる)
- 午後 レクリエーション(体操、歌、工作、囲碁将棋など施設による)
- 15時すぎ おやつ
- 16時ごろ 送迎車で帰宅
費用は1割負担なら1回1,000円前後+食費数百円が目安です(要介護度・利用時間・施設により異なります)。入浴・食事・活動・見守りがこの値段で、しかもその間、家族は自分の時間を持てます。
組み合わせの実例(要介護2・日中独居のケース)
働きながら同居介護する場合の、よくある形です。
- 月・水・金 デイサービス(日中の活動と入浴)
- 火・木 午前にヘルパー1時間(服薬確認・昼食準備)
- 隔月 ショートステイ2泊(家族の休息)
- 常時 介護ベッド・手すりをレンタル
ポイントは、介護される本人の生活を支えると同時に、介護する家族の生活も守る設計になっていること。この全体像をケアマネが要介護度の予算枠(区分支給限度額)内で組んでくれます。
「介護する人が休む」は、サービスの正式な目的です
デイやショートを「本人を預けるのは申し訳ない」と感じる方が多いのですが、介護者の休息(レスパイト)はこれらのサービスの正式な役割です。介護を長く続ける鍵は、家族が倒れないこと。罪悪感は要りません。
よくある質問
Q. 本人が「デイサービスなんか行かない」と嫌がります。
初回はほぼ全員が嫌がる、と言ってよいくらい普通のことです。よく効く工夫:①「見学だけ」「お試し1回だけ」から始める ②「リハビリに行く」「お風呂に入りに行く」など本人が受け入れやすい言い方にする ③施設選びを本人の好みに合わせる(静かな施設・趣味活動のある施設など、雰囲気は施設ごとに大きく違います)。合わなければ変えてOK。ケアマネに「本人が嫌がっている」と相談すれば、対策を一緒に考えてくれます。
Q. 他人を家に入れるのに抵抗があります(訪問介護)。
よくある気持ちです。デイサービスから始めて、慣れてきたら訪問を足す順番でも構いません。ヘルパーとの相性が合わなければ事業所に交代を相談できます。
Q. 急に明日、預け先が必要になったら?
まずケアマネに電話を。ショートステイの空きを探してくれます。緊急時の対応力も含めて、日頃からケアマネに家庭の事情を伝えておくと動きが速くなります。
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※本記事は一般的な情報提供です。利用できるサービス・費用は、要介護度・所得・地域により異なります。詳しくはケアマネジャーや市区町村にご確認ください。
参考・出典
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