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介護・ケア受容・体制づくり

親が認知症と診断されたら ― 働きながら介護を始める人のための「しくみ」全体ガイド

公開: 2026年6月12日 / 最終更新: 2026年6月13日

先に、要点だけ

  • 最初の一歩は地域包括支援センターへの相談。あとは順番に進めば大丈夫
  • ケアマネジャーは介護の司令塔で、相談・ケアプラン作成は無料。合わなければ変えられる
  • 仕事は辞めない前提で。介護休業(通算93日・給付金67%)は体制づくりの準備期間に使う

ある日突然でも、大丈夫

仕事をして、自分の生活があって。そんな毎日のなかで、ある日突然「親が認知症かもしれない」「認知症と診断された」と知らされる。何の準備もないまま、急に始まる——多くの人が、同じ状況からスタートします。

最初に知っておいてほしいのは、介護はあなた一人で背負うものではないということ。日本には、家族を支えるための公的なしくみがあります。問題は、そのしくみが分かりにくいこと。聞き慣れない言葉(要介護認定、地域包括、ケアマネ…)が次々に出てきて、混乱します。

このページは、その全体像を整理してお見せします。順番に読めば、「誰に・何を・どの順で頼ればいいか」が分かります。

1. まず全体像 ― 支援が始まるまでの流れ

介護のしくみは、おおまかに次の順番で進みます。この地図さえ持っていれば、迷いません。

介護サービスが始まるまでの流れ

1地域包括支援センターに相談無料
2介護保険を申請する
3要介護認定を受ける原則30日
4ケアマネジャーを決める
5ケアプランをつくる
6サービスを使い始める

各ステップの中身は、次のとおりです。

  1. 地域包括支援センターに相談する(最初の窓口・無料)
  2. 介護保険を申請する(市区町村の窓口、または地域包括が代行)
  3. 要介護認定を受ける(調査と判定。原則30日以内だが、実際はそれ以上かかる地域も。なお、急ぐ場合は「暫定ケアプラン」で認定結果を待たずにサービスを使い始められることがあり、利用分は申請日にさかのぼって保険対象になります。ケアマネに相談を)
  4. ケアマネジャーを決める(要介護1以上の場合)
  5. ケアプランをつくる(ケアマネが、本人に合った計画を)
  6. サービスを使い始める(デイサービス、訪問介護、施設など)

最初の一歩は、①地域包括支援センターへの相談です。ここがすべての入り口になります。「何から始めればいいか分からない」――その一言で大丈夫です。どこにあるか・どう連絡するかは 地域包括支援センターの探し方・連絡のしかた をご覧ください。

お探しの段階が「受診前」「診断直後」の方は、先に はじめての方へ(最初にやることガイド) をご覧ください。

2. 登場人物 ― 誰が何をしてくれる人か

介護では、いろいろな立場の人が出てきます。混乱しないよう、役割で整理しておきましょう。

登場人物どんな人・どこにいるしてくれることお金
地域包括支援センター高齢者の総合相談窓口。市区町村ごとに設置何でも最初の相談。介護保険申請の手伝い、制度の案内無料
市区町村の介護保険窓口役所の介護保険担当課介護保険の申請受付、認定無料
主治医(かかりつけ医)いつもの病院診断、認定に必要な「主治医意見書」受診料
ケアマネジャー居宅介護支援事業所に所属介護の司令塔。ケアプラン作成・サービス調整・相談相手無料
サービス事業者デイサービス・訪問介護など実際の介護サービスを提供原則1〜3割負担

ポイントは、相談の入り口(地域包括)と、相談・計画づくり(ケアマネ)は無料だということ。お金がかかるのは、実際に使うサービスの部分です。

3. ケアマネジャーとは ― 介護の「司令塔」であり、あなたの相談相手

働きながら介護をするあなたにとって、いちばん頼りになるのがケアマネジャー(介護支援専門員)です。ここはしっかり整理しておきましょう。

いつ・どう登場するか

要介護認定で「要介護1〜5」が出ると、ケアマネを決める段階になります(「要支援」の場合は地域包括支援センターが担当します)。ケアマネは居宅介護支援事業所に所属していて、その事業所を選ぶことで担当が決まります。どこを選べばいいか分からなければ、地域包括支援センターが紹介してくれます。

何をしてくれるか

  • ケアプラン(介護の計画)をつくる ― 本人の状態・希望・家族の事情に合わせて、どのサービスをどう使うか設計してくれます。
  • サービスの手配・調整 ― デイサービスや訪問介護などの事業者との連絡・調整を代行。
  • 相談相手になる ― 困りごと全般の相談窓口。施設を探すときの相談にも乗ってくれます。
  • 見守りと見直し ― 定期的に様子を確認し、状態の変化に合わせて計画を直します。

費用は ― 無料です

意外と知られていませんが、ケアマネへの相談やケアプラン作成は、利用者の自己負担がありません(全額が介護保険から支払われます)。お金の心配なく頼れる存在です。

選び方・付き合い方の3つのコツ

  1. 「認知症に詳しい人を」と希望していい ― 紹介してもらうとき、認知症の対応経験があるか尋ねて構いません。
  2. 合わなければ、変えられる ― ケアマネは途中で変更できます。相性は大切。我慢する必要はありません(地域包括や事業所に相談を)。
  3. 働いていることを、最初に伝える ― 「平日日中は連絡が取りにくい」「遠方に住んでいる」など、あなたの事情を共有しておくと、それを前提に計画を立ててくれます。遠慮はいりません。

4. 働きながら介護するあなたへ ― 仕事との両立制度

「仕事を辞めるしかないのか」と思いつめる前に、使える制度があります。介護離職は、その後の生活にも響きます。まずは制度と地域包括への相談を。

制度内容
介護休業対象家族1人につき、通算93日まで。3回まで分けて取得できる。
介護休業給付金雇用保険から、休業前賃金の約67%が支給される(上限あり)。
介護休暇5日まで(対象家族が2人以上なら10日)。通院の付き添いなどに。有給か無給かは勤務先の規定によります。

介護休業は「自分が介護に専念するための休み」というより、介護の体制を整えるための準備期間と考えるのがコツです。この93日で、地域包括やケアマネと体制をつくり、仕事に戻れる形をめざします。

勤務先の人事・総務にも、早めに相談しておきましょう。

5. 今日できること

全体像が分かったら、最初の一歩はとてもシンプルです。

  • 今日:お住まい(親が住む地域)の地域包括支援センターを調べて、電話してみる。
  • 今週:介護保険の申請について聞く(地域包括が手伝ってくれます)。
  • 今月:勤務先に、仕事と介護の両立制度について相談する。

よくある不安

Q. お金が心配です。 A. 入り口(地域包括)とケアマネ(相談・計画)は無料です。サービス利用は原則1〜3割負担で、負担を軽くする制度もあります。→ お金・制度

Q. 仕事は辞めるべき? A. まずは辞めずに、制度(介護休業など)と地域包括・ケアマネに相談を。体制をつくれば、働きながら続けられる場合が多くあります。

Q. 親と離れて暮らしています。 A. 遠距離でも大丈夫です。親が住む地域の地域包括支援センターが拠点になります。その事情をケアマネに伝えれば、それを前提に計画してくれます。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の制度の適用や手続きの詳細は、お住まいの市区町村・地域包括支援センター・勤務先にご確認ください。

参考・出典

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