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お金・制度受容・体制づくり

認知症と財産を守る ― 成年後見・お金の管理・詐欺への備え

公開: 2026年6月12日 / 最終更新: 2026年6月12日

お金と財産は、早めの備えが大切

認知症が進むと、お金の管理や、契約などの手続きが難しくなります。本人の判断能力が低下すると、預金の引き出しや解約、不動産の売却などができなくなることもあります。また、悪質な詐欺の標的にもなりやすくなります。

だからこそ、早めに備えておくことが、本人の財産と暮らしを守ることにつながります。ここでは、その主なしくみを整理します。

本人の財産を守るしくみ

成年後見制度

判断能力が不十分になった人に代わって、財産の管理や契約などをサポートする人(後見人など)を立てる制度です。大きく2つに分かれます。

  • 法定後見:すでに判断能力が低下している場合に、家庭裁判所が後見人等を選びます。本人の状態に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれます。家族が後見人になることを希望しても、家庭裁判所が司法書士・弁護士などの専門職を選ぶこともあります。
  • 任意後見:判断能力が十分なうちに、本人が自分で「将来、誰に・どこまで任せるか」を決めて契約しておく方法です(公正証書で契約)。実際に使うには、判断能力が低下したあとに家庭裁判所へ申し立て、「任意後見監督人」が選ばれて初めて効力が生じます(監督人への報酬が継続的に発生します)。

始める前に知っておきたい注意点

成年後見は本人を守る制度ですが、後で「こんなはずでは」とならないよう、次の点を理解してから検討してください。

  • 原則、本人が亡くなるまで続きます。「実家を売る」など特定の目的が済んでも、途中でやめられません。
  • 専門職が後見人になると、継続的な報酬がかかります(家庭裁判所の目安で月2万円程度〜、管理財産が多いと増えます)。
  • 本人の財産は本人のためにしか使えません。 生前贈与や相続税対策、家族のための支出、積極的な資産運用はできず、自宅の売却なども家庭裁判所の許可が必要です。

これらの理由から、「とりあえず後見」ではなく、本当に必要か・他の方法(任意後見・家族信託・日常生活自立支援事業)で足りないかを、申し立て前に司法書士・弁護士に相談することをおすすめします。地域包括支援センターや市区町村の窓口でも入口の相談ができます。

日常生活自立支援事業

「成年後見ほどではないけれど、日々のお金の管理が少し不安」――そんなときに使えるのが、社会福祉協議会が行うこの事業です。

  • 福祉サービスの利用手続きや、日常的なお金の管理を手伝ってもらえます。
  • 契約の意味を理解できる判断能力は必要ですが、本人と社会福祉協議会の契約で始められ、比較的気軽に使えます。

家族信託など

家族に財産の管理を託す「家族信託」といった方法もあります。専門的な手続きが必要なので、専門家に相談を。

詐欺・消費者被害への備え

認知症の人は、特殊詐欺や悪質な訪問販売の標的になりやすいといわれます。次のような備えを。

  • 通帳・印鑑・キャッシュカードの管理を、信頼できる家族と相談して決めておく
  • 固定電話を留守番電話に設定し、知らない番号は出ない
  • 大きな契約や購入は、一人で決めないルールにしておく
  • 不審な契約をしてしまっても、クーリングオフで解除できる場合があります(訪問販売・電話勧誘販売は書面を受け取ってから8日以内、連鎖販売取引などは20日以内。はがき等の書面や電磁的記録で通知)。ただし自分から店に出向いて買った場合や通信販売は、原則クーリングオフの対象外です。
  • クーリングオフの期間を過ぎても、あきらめないでください。判断能力が十分でない状態でつけ込まれて結んだ契約は、取り消し・無効を主張できる場合があります(消費者契約法など)。まずは下記の188へ。

困ったとき・不安なときは、消費者ホットライン「188(いやや!)」(局番なし)に電話すると、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。

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※本記事は一般的な情報提供であり、法的・専門的アドバイスに代わるものではありません。制度の利用は、家庭裁判所・社会福祉協議会・司法書士や弁護士などの専門家にご相談ください。

参考・出典

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