結論から
身体活動は、WHOが認知症リスク低減に向けた介入の一つとして扱い、研究が蓄積している生活習慣です。
世界保健機関(WHO)は2026年7月にリスク低減ガイドライン第2版を公表し、身体活動を増やすことを含む健康行動、生活習慣病の管理、環境要因への対策などを、認知機能低下・認知症のリスク低減に向けた介入として整理しています。
また、世界的な医学誌 The Lancet の委員会報告(2024年)は、運動不足を含む14の「変えられるリスク要因」に対処することで、世界の認知症の約45%は予防または発症を遅らせられる可能性があると報告しています。
最初に、お伝えしておきたいことがあります。認知症を確実に防ぐ方法は、いまのところありません。 運動をしていても発症することはあります。それは誰のせいでもありません。それでも「リスクを下げられる可能性が高い」ことには大きな意味があります。
なぜ運動が脳にいいのか
運動が脳を守る理由は、ひとつではありません。
- 脳の血流がよくなる — 脳の血管の健康は、認知機能と深く関わっています。
- 生活習慣病を防ぐ — 高血圧・糖尿病・肥満はいずれも認知症のリスク要因で、運動はそのすべてに効きます。
- 気分と睡眠が整う — うつや社会的孤立もリスク要因。体を動かすこと、特に誰かと一緒に動くことは、心の健康にもつながります。
つまり運動は、複数のリスク要因に同時に働きかける「ハブ」のような習慣なのです。
どれくらいやればいい?
WHOの身体活動ガイドラインでは、成人の目安は次のとおりです。
- 中強度の有酸素運動を週150〜300分(例: 早歩き30分を週5回)
- 筋力トレーニングを週2回以上
- (高齢の方)転倒を防ぐためのバランス運動を週3日以上(片足立ち、椅子につかまっての足上げなど)
「中強度」とは、少し息が弾むけれど会話はできる程度。いきなり全部やる必要はありません。 今日10分の早歩きから始めて、少しずつ増やしていけば十分です。
介護をしながらでも、できることから
このサイトの読者には、いままさにご家族を介護中の方も多いはずです。まとまった運動の時間が取れなくても——
- 買い物を徒歩にして早歩きにする
- デイサービスの送り出しのあとに10分歩く
- テレビを見ながら、椅子の立ち座りをゆっくり数回(ふらつくときは机や手すりにつかまって)
「自分の予防」は、介護をするあなた自身の心身を守ることでもあります。
安全のために:持病(心臓・血圧・関節など)のある方は、始める前にかかりつけ医に相談を。運動中に胸の痛み・強い息切れ・めまい・関節の鋭い痛みがあれば、すぐに中止してください。
大切なのは「続けること」
運動の効果は、続けてこそ。けれど「わかっていても続かない」のが人間です。続けるための仕組みづくりは、運動を「続ける」ためにで紹介しています(当社の運動サービスのご案内を含みます)。
※本記事は一般的な情報提供であり、医学的アドバイスではありません。持病のある方は、運動を始める前にかかりつけ医にご相談ください。
参考・出典
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