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予防する予防

コグニサイズとは? 脳トレとの違い・やり方・続け方

公開: 2026年6月11日 / 最終更新: 2026年6月11日

「脳トレで認知症は防げますか?」

よくいただく質問です。正直にお答えします。

「市販の脳トレゲームやアプリで認知症を確実に防げる」という証拠は、いまのところありません。

意外に思われるかもしれません。でも、これは大切なことなので、最初にきちんとお伝えします。

脳トレの「落とし穴」

脳トレ(計算ドリルや記憶ゲームなど)を続けると、たしかにそのゲームは上手になります。しかし、研究で繰り返し問題になってきたのは、その上達が「日常生活全体の認知機能」や「認知症の予防」につながるという証拠が乏しいという点です。これを専門的には「般化(はんか)が起きにくい」と言います。

象徴的な出来事があります。世界的に有名な脳トレアプリ「Lumosity(ルモシティ)」は、2016年にアメリカの政府機関(FTC)から、「認知症や加齢による認知機能の低下を防ぐ」と十分な根拠なく宣伝したとして制裁を受けました。

世界保健機関(WHO)も、認知トレーニングについては「行ってもよい」という弱い推奨にとどめています。一方で、後述する運動は「強く推奨」しており、扱いが明確に違います。

だから、当サイトは「脳トレで予防できます」とは言いません。それが誠実だと考えるからです。

では、何が有望なのか — コグニサイズ

ここで注目したいのが、コグニサイズです。

コグニサイズとは、国立長寿医療研究センター(NCGG)が開発した、運動と認知課題(頭の体操)を“同時に”行う取り組みです。英語の Cognition(認知)と Exercise(運動)を組み合わせた言葉です。

脳トレとの決定的な違いは、土台が「運動」であること。運動は、認知症のリスクを下げる方法の中でもっとも確かな証拠を持つ習慣です。その運動に、頭を使う課題を“ながら”で乗せるのがコグニサイズです。

報告されている効果

国立長寿医療研究センターなどの研究では、コグニサイズを継続することで、MCI(軽度認知障害)の段階での認知機能の低下を抑えるといった効果が報告されています。複数の研究をまとめた分析でも、運動だけ・頭の体操だけを単独で行うより、両方を同時に行うほうが有望とされています。

ただし、ここでも正直にお伝えします。「コグニサイズで認知症を確実に防げる」とまでは言えません。 「低下を抑えるという報告がある」「単独より有望」という段階です。それでも、運動という確かな土台がある分、取り組む価値は十分にあります。

やり方:運動しながら、頭を使う

コグニサイズの基本は、「軽く息がはずむ程度の運動」+「少し間違えるくらいの頭の体操」を同時に行うことです。「ときどき間違える」くらいの難しさがちょうどよい、とされています。

身近な例:

  • ウォーキングしながら、3の倍数で手をたたく(1・2・パン・4・5・パン…)
  • 足踏みしながら、しりとり
  • 歩きながら、100から7ずつ引いていく(100・93・86…)
  • 散歩のときに、すれ違った車のナンバーを足してみる

特別な道具は要りません。いつもの散歩に「頭の体操」を一つ加えるだけで、コグニサイズになります。

いちばん大切なのは「続けること」

ここが本当の山場です。

コグニサイズの効果が報告されているのは、週に2〜3回、それを半年〜1年といった期間、続けた場合です。逆に言えば、1〜2回やっただけでは意味がなく、「続けられるかどうか」がすべてだと言っても過言ではありません。

そして——「続けるのが難しい」のが、私たち人間です。やる気だけに頼ると、たいてい三日坊主になります。大切なのは、続く“仕組み”を持つこと

  • 毎日の散歩など、すでにある習慣に“くっつける”
  • 記録をつけて、できた日を可視化する
  • 一人より、誰かと一緒に・励まし合える環境をつくる

まとめ

  • 「脳トレ(座ってやるゲーム)で認知症を防げる」という確かな証拠はない。
  • コグニサイズは、運動という確かな土台に頭の体操を組み合わせる方法で、脳トレより有望。ただし「確実に防げる」わけではない。
  • 効果は続けてこそ。だからこそ、続く仕組みづくりが大切。

無理なく、楽しく。今日の散歩に、小さな頭の体操をひとつ。そこからで十分です。

※本記事は一般的な情報提供であり、医学的アドバイスではありません。持病のある方は、運動を始める前にかかりつけ医にご相談ください。

参考・出典

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